2026年3月9日(月)
①10:00~10:45(0~1歳児おすすめ)
②11:30~12:15(2~3歳児おすすめ)
③13:20~14:05(0~1歳児おすすめ)
*各回25席限定
2026年3月16日(月)
④10:00~10:45(2~3歳児おすすめ)
⑤11:30~12:15(0~1歳児おすすめ)
⑥13:20~14:05(0~1歳児おすすめ)
会場:第一生命ホール ロビー
出演:中須美喜(ソプラノ)、マルシェ弦楽四重奏団
主催:認定NPO法人 トリトン・アーツ・ネットワーク
公演詳細はこちら

今回特に選曲の意味を自分なりに考え抜いたので、聴いてくださった方に伝えることができたのではないかと思います。同じ空間で音楽を私たちと共有してくださった皆様、本当にありがとうございました。
曲について考えていく過程を文章にまとめて公開してみたのも、私にとっては初めての試みでした。頭の中では普段から考えているつもりでしたが、文章にまとめて公開するとやはり自分の意識は変わります。お読みいただいた方、ありがとうございました。
マルシェ弦楽四重奏団では、来年もアウトリーチ、コンサートなどの予定が継続してございます。今後も私たちの活動に関心を寄せていただけると嬉しいです。



この曲は熊本県球磨郡五木村に伝わる民謡です。五木村は熊本県の南部の内陸の山間部にある、平家の落人伝説のある小さな村。この歌は子守をする少女が、自分の不幸な境遇などを自ら慰めるために歌った歌です。かつて小作人の少女たちは、家が貧しく、「口減らし」のために奉公に出されることが多くありました。

哀愁を帯びた物悲しいメロディーです。私は聴きながらガーシュウィンのオペラ「ポーギーとベス」より「サマータイム」を思い出しました。貧しいアフリカ系アメリカ人の主人公が赤ん坊をあやしながら歌うブルースです。ブルースも成り立ちを考えるとアフリカ系アメリカ人の「民謡」とも言えるジャンルですから、日々の暮らしに心情を歌詞にこめて歌っていたという共通点があるのかもしれません。
コンサートでは幸松肇氏が編曲した「弦楽四重奏のための日本民謡集」より演奏します。これまでにマルシェ弦楽四重奏団ではこの民謡曲集から「ソーラン節」「茶っきり節」「鹿児島おはら節」などいくつかをコンサートやアウトリーチで演奏してきました。日本土着の民謡の響きそのままというよりは、西洋の楽器、西洋の響きも活かした新しいアレンジになっていると感じます。
この曲は、ロシアの作曲家チャイコフスキー(1840-1893)によって1871年に作曲された「弦楽四重奏曲第1番ニ長調作品11」の第2楽章です。美しい旋律が大変有名で、いろいろな楽器に編曲されたり、今回のコンサートのように単独で演奏されることも多いです。

チャイコフスキーは若い頃に民謡の採譜にも取り組み、その成果は「50のロシア民謡曲集」(1869年:弦楽四重奏曲第1番の作曲時期に近い)といった形でまとめられました。そうした活動の影響でしょうか、初期のチャイコフスキーの作風は民族的な要素を採り入れた作品が多かったと言われています。 弦楽四重奏曲第1番は、彼の創り出す豊かな旋律と情感溢れる表現力が際立っており、ロシアの伝統的な音楽と西洋のクラシック音楽を融合させた作品として評価されています。
第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」も民謡を元にしていると言われていますが、具体的にどの民謡なのかについては諸説あるようです。 その一つが、冒頭部分のテーマがウクライナのカメンカで聴いた民謡を元にしているのではないか、というものです。
カメンカはチャイコフスキーの妹の嫁ぎ先で、1870年代にはチャイコフスキーが頻繁に訪れていたということです。
今回の記事でご紹介した2曲はどちらも民謡が元になっており、素朴ながら胸に迫る旋律が印象的です。コンサートでは、人々の心の中に大切に伝わってきた「うた」を弦楽四重奏の響きでお楽しみください。
【2025/10/13追記】
全4回にわたって全てのプログラムを眺めてみますと、パーセルはイギリスの、五木の子守唄は日本の、チャイコフスキーはスラブの、リゲティはハンガリーの、シューベルトは南ドイツ・オーストリアの、”それぞれの文化・伝統・メロディー” が豊かに表現された曲ばかりです。長い歴史の中で人々によって受け継がれてきたもの、それを弦楽四重奏曲という形で残してくれた作曲家のそれぞれの「歌」がお聴きいただく皆様の心に届きますようにと思って演奏しました。

🎵コンサートの詳細は以下のページをご覧ください🎵
来月に向けてリハーサルにも力が入ってまいりました。リハーサルの音源から、ちらっとパーセルのファンタジアがお聴きいただけます。
ヘンリー・パーセル(1659年 -1695年)はイギリス生まれ、ウェストミンスター寺院のオルガニスト、王室楽団の作曲家として活躍しました。伝統の上に新様式を盛り込み、英国音楽に新風を吹き込んだバロック時代の作曲家です。
16世紀から17世紀初頭にかけて、イギリスではヴィオールの合奏がもてはやされ、同時代に活躍したイギリスの作曲家たちはこのレパートリーのための音楽を残しました。パーセルも3声から7声まで多彩なヴィオールの作品を作曲しています。
「4声のファンタジア」とある通り、後にハイドンによってヴァイオリン2本、ヴィオラ、チェロによる弦楽四重奏のスタイルが確立される以前の曲です。元々はヴィオール属(ヴィオラ・ダ・ガンバ)のために書かれました。

こういう楽器ですね。厳密には細かい違いがあるためヴァイオリン属の先祖とは言えないようです。
弦楽四重奏という形式が確立された後の曲より、4つの楽器の役割分担が明確ではなく、一つのものを自由に4人で紡ぎ出すような面白さを感じます。10/12のコンサートでは、この曲から演奏をスタートし、いろいろな「うた」が広がっていきます。

シューベルトの大曲と共にプログラムのメインとなるのがリゲティの弦楽四重奏曲。こちらも以前からマルシェの中でやりたい曲としてあがっており、数年前に楽譜も購入してあった曲です。
リゲティは現代音楽の巨匠として大変有名で名前を聞く機会も多いものの、私個人は演奏機会はありませんでした。10年以上前にホルン三重奏曲を聴いて難解に感じつつも興味惹かれる部分がたくさんあったことを覚えています。
ジェルジュ・リゲティ(1923年5月28日 – 2006年6月12日)は、ルーマニアでユダヤ系ハンガリー人として生まれ、ハンガリー動乱がソ連に鎮圧された1956年にオーストリアに亡命。スタンリー・キューブリック監督は映画『2001年宇宙の旅』、『シャイニング』、『アイズ ワイド シャット』などでリゲティの音楽を使用したため、その音楽はクラシック音楽を越えて広く知られるようになりました。
第二次世界大戦の折には、家族はバラバラに強制収容所に入れられ、父はアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で、弟はマウトハウゼン強制収容所で命を落としています。その後ソ連抑圧下のハンガリーで過ごし、ハンガリー動乱の際には、銃撃を避けてハンガリーとオーストリアの国境に広がる湿地帯を通り抜けて亡命するなど、政治的に厳しい状況に置かれました。
弦楽四重奏曲第一番は「夜の変容」という副題がついており、不穏な雰囲気、抒情的な旋律など変化に富んだこの作品の性格を表していると言えるでしょう。ハンガリーがソ連抑圧下にあった1954年に作曲されました。31才という若い時の作品ですが、当時のハンガリーは大戦後の西側の実験的な音楽の情報が入ることもなく隔絶されており、独創的な音楽になっています。この頃リゲティはハンガリーの先人バルトークの音楽を理想とし、ハンガリーの民謡を元に作曲をすることもありましたが、社会主義リアリズムが蔓延するハンガリー当局から演奏を禁止されており、非公開のままになる曲も多くありました。この曲も亡命後の1958年にウィーンで初演されています。
録音を聴いたりスコアを見ると「弦楽四重奏としての技巧」が要求されることがわかります。テンポや拍子がよく変わる、「伝統的な和声音楽」ではないため4人で音程があっているのかわかりづらい、歯車のようにカチッと噛み合ってこそかっこいいと感じるところも多い、早いパッセージやグリッサンドも多い、特殊奏法も多い・・・それらをどのように扱って歌にまで昇華するか。冒頭から曲全体を支配しているような半音階進行から始まり、次第にメロディが導き出されてきます。ユーモアがあったり、怪しげだったり、痛みを感じるようだったり、リゲティならではの「うた」が浮かび上がってくるような演奏ができればと考えています。
今回演奏するシューベルトの半分ほどの長さの曲ですが、練習を始めた当初はとてつもなく長く感じました。リハーサルと重ねてくると次第に短く感じられるようになり、ようやく最後まで行けそう!という気持ちになりつつあります。「数学的な楽譜」とそこから聞こえてくる「豊かな響き」のギャップが面白いところです。多彩な音色で夜を表現し、最後は静かに消えていきます。
2024年11月3日(日)14時開演 13時30分開場
プログラム
シューベルト/弦楽四重奏曲第12番 ハ短調 D703「四重奏断章」
ブリテン/弦楽四重奏曲 第1番 ニ長調 Op.25
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 Op.132
会場
渋谷美竹サロン
(東京都渋谷区渋谷1-12-8 2F)
渋谷駅B3出口 徒歩3分
※専用駐車場はございませんので、公共交通機関(電車・バス等)をご利用のうえ、お越しください。
チケット
全席自由 一般3500円 学生2000円
本公演は電子チケット販売サービス「teket」にてチケットを販売しております。
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