4歳からヴァイオリンを始めることは十分可能です。実際に私のレッスンでも3〜5歳から始めるお子さんが多くいらっしゃいます。
練習時間も最初から30分必要ということはありません。幼児は5〜15分程度から楽しく続けることが大切です。
他にも以下のようなご質問も多く寄せられます。
この記事では、上記のようなヴァイオリンを習い事として選ぶ際に保護者の方からよくいただくご質問に対して、これまでの私の指導経験を元に実際の幼児のレッスン内容をご紹介しながらお答えします。
3歳〜5歳頃からレッスンできるお子さんが多いですが、年齢よりも「人の話を聞くことができる」「楽器や音楽に興味を持てそう」といったことが大切です。私の教室では体験レッスンで、お子さんが音楽に興味を示すか、先生の話を聞けるかを大切に見ています。
たった一音出すために、立ち方、楽器の構え方、弓の持ち方、弓の動かし方、音の聴き方、音程の取り方・・・といったたくさんのことに最初から向き合うのが弦楽器です。レッスンでは先を急がずに一つひとつ正しい基礎を指導します。最初から根気強い子どもというのはほとんどいないものです。ヴァイオリンを習うことによって養われる能力の一つに、忍耐力、やり遂げる力というものがあると思います。お子さんがそのような能力を養い成長していけるように、何より私自身が根気強くあるべきと思ってレッスンしています。
私は特に3歳、4歳、5歳、6歳頃のお子さんの最初の3〜6ヶ月は「すぐに教本が進むこと」ではなく、「ヴァイオリンと仲良くなること」「弾けるようになりたいという意欲を育てること」「後から修正困難なフォームの悪い癖をつけない」というようなことを大切にしています。
歌うこと、リズムに合わせて弓を動かしてみること、先生の演奏するメロディーに合わせて音を出してみる、といった経験がその後の成長の土台になります。

成長に合わせてサイズが変わるし、最初はレンタル・・とお考えになる方も多いですが、最近レンタル料金も意外と高いです。全くの未経験者が使う最初の分数楽器は格安なものでも使えるものがあります。レッスン開始のタイミングによっては購入するほうが費用を抑えられる場合もあります。また、3歳、4歳といった年齢ですと、うっかり落としたり、ぶつけたり、などのご心配から購入した方が気が楽というお考えの方もいらっしゃいます。
身長(正確には腕の長さ)と楽器のサイズアップのタイミングの兼ね合いは体験レッスンで確認いたします。成長のスピードは個人差が大きいですので断言できるものではありませんが、ご相談ください。その後の買い替えの際は、お使いの楽器を下取りに出したり、メンテナンスされた中古をご紹介できることもあります。新品の購入についてもご相談にのります。

小さなお子さんでしたら、5~15分程度から始め、楽しみながら続けることが大切です。毎日バイオリンケースを開けて、楽器の準備をして、楽器を持つ、という「毎日ヴァイオリンに触れる習慣をつけること」が最初の一歩です。これが意外と大変で、パッと蓋を開けたら弾けるピアノとは違ったハードルがあると思います。大切なのは練習時間の長さよりも少しずつでも継続することです。生徒さんによって生活リズムは様々ですので、レッスンでは生徒さんの状況も伺いながら1日の中でどこで練習する時間を作れそうか、といったご相談にものっています。

上達のためにはご家庭での練習がとても大切です。幼いうちはレッスンに付き添っていただき、ご家庭での練習方法を理解していただくと上達がスムーズになります。レッスンではどのように練習するとよいかも具体的にお伝えしています。
これは親がヴァイオリン経験者であるかどうか、楽譜が読めるか、ということではありません。小さなお子さんの導入レッスンは大人の方ならどなたでも理解できる内容です。例えば「弓を真っ直ぐに動かせているかどうか」というのは演奏している子ども自身が客観的に判断して修正するのは難しい課題ですが(大人でも演奏している本人が判断するのは初心者の場合は大変困難です)、横から演奏姿勢を見ている人にはレッスンを見ていればおおよそわかることかと思います。
保護者の方がどの程度関わることができるかは、それぞれのご家庭の生活リズムやご事情によって千差万別です。あくまでも無理のない範囲で現実的に可能なフォローを考えていきます。
ヴァイオリンは音を出すだけでも意識すべきことがたくさんあります。楽譜を読むのも初めての初心者が、楽譜を読みながら、姿勢・構え方・弓の持ち方動かし方に注意を払うのはほぼ不可能ですので、最初はヴァイオリンの技術的指導とは分けて、楽譜の読み方も丁寧にレッスンしています。
これまでの経験から感じることは、ドレミの順番に規則正しく鍵盤が並んでいるピアノよりも、楽譜上の音が実際ヴァイオリンの上で指を置く場所と結びつきづらいのではないかということです。ヴァイオリンは4本の弦があり、同じ音を違う弦で出すこともできるため、ただ楽譜を読めるようにというだけでなく、混乱せずに実際の楽器と結びつけるところまでしっかりとフォローするようにしています。

ヴァイオリンを始める時期や楽器選びは、お子さんによって違います。
当教室では体験レッスンでお子さんの様子を見ながら、一人ひとりに合った始め方をご提案しています。

篠原眞は、日本を代表する現代音楽作曲家の一人です。電子音楽、空間音楽、邦楽器を取り入れた作品など、20世紀後半から21世紀にかけて国際的に活動し、日本の前衛音楽の発展に大きく貢献しました。
◾️音楽を探求し続けた作曲家、篠原眞メモリアルコンサート 7月開催「再評価の契機に」
◾️メルキュール・デザール 音楽の創造・享受の新たな軌道を翔る批評誌
https://mercuredesarts.com/2026/06/14/pickup-shinohara-takaku/
1931年に大阪で生まれ、東京藝術大学で池内友次郎に作曲を学びました。その後、フランス政府給費留学生として渡仏し、オリヴィエ・メシアンのもとで音楽哲学を学び、作曲家トニー・オーバンにも師事しました。さらにドイツではカールハインツ・シュトックハウゼンやベルント・アロイス・ツィンマーマンらと交流し、電子音楽や最先端の作曲技法を吸収しました。後にはシュトックハウゼンの助手も務めています。
篠原眞の作品には次のような特徴があります。
代表作には《Alternance(交互)》《Égalisation(均衡化)》《夢路》《解放》《協和》などがあります。
日本では演奏機会が比較的少なかった一方で、ヨーロッパを中心に高い評価を受けました。作品個展は世界各地で20回以上開催され、楽譜出版や録音も国際的に行われています。現代音楽の最前線で活動し続けた日本人作曲家として知られています。
2024年3月3日に92歳で逝去しました。近年はその功績を再評価する動きが進み、2026年には「篠原眞メモリアルコンサート」が開催され、生前未初演だった作品を含むオーケストラ作品が紹介されています。
篠原眞の音楽は、単に「難解な現代音楽」という枠ではなく、「音とは何か」「空間とは何か」「音楽はどのように時間を構成するのか」という根源的な問いに挑み続けた創作として評価されています。メシアンやシュトックハウゼンの影響を受けながらも、それらを模倣するのではなく、日本独自の感性と融合させた独創的な作風を築いたことが、今日でも高く評価される理由です。
篠原眞は、日本の戦後現代音楽を代表する作曲家の一人です。フランスでオリヴィエ・メシアン、ドイツでカールハインツ・シュトックハウゼンやゴットフリート・ミヒャエル・ケーニヒらに学び、電子音楽から管弦楽、邦楽器作品まで幅広い創作を行いました。日本では知名度が必ずしも高くありませんが、ヨーロッパでは前衛音楽の重要な作曲家として評価されてきました。
篠原の作品では、旋律や和声よりも「音色」「響き」「空間」が中心になります。
例えば、
などを積極的に用います。
この点は戦後ヨーロッパの前衛音楽の影響を受けていますが、単なる模倣ではありません。
1950~60年代という電子音楽黎明期に、フランスのミュージック・コンクレートやドイツの電子音楽を直接学びました。
そのため、
といった分野で、日本人として最も早い世代の作曲家の一人です。
日本の現代作曲家には民謡や雅楽を引用する人も多くいますが、篠原はそれよりも
といった、日本文化に通じる時間感覚を作品へ取り込もうとしました。
邦楽器作品でも、西洋音楽との単純な折衷ではなく、新しい音響世界を目指しています。
作品は感情をそのまま表現するというより、
などが極めて精密に設計されています。
ただし数学的に冷たいというより、「音がどのように生まれ、消えていくか」を緻密に考え抜いた構成美が特徴です。
同じ戦後世代でも、
そのため、篠原の作品は一見すると難解ですが、繰り返し聴くと、音が配置される必然性や空間の変化が徐々に感じられるようになります。
篠原眞は、メシアンやシュトックハウゼンらヨーロッパ前衛音楽の第一線で直接学びながら、自らの音楽語法を築き上げた数少ない日本人作曲家です。作品数は多くありませんが、一つひとつを長い時間をかけて推敲したため、その完成度の高さが評価されています。近年は没後の再評価も進み、作品集や追悼演奏会によって、その創作の全体像が改めて紹介されています。
既に夏模様の毎日ですが、冬から早春にかけて幾つかのアウトリーチ、コンサートがありました。
2月は銀座中学校特別支援学級でのアウトリーチ。弾いてみたい!という気持ちあふれる生徒さんばかりで、とてもスムーズに進行しました。たくさんの質問も出て、やる気に満ち溢れた時間を過ごしました。
https://www.triton-arts.net/ja/community/2026/4327/https://www.triton-arts.net/ja/community/2026/4367/



3月はソプラノの中須美喜さんとマルシェ弦楽四重奏団で、トリトン・アーツ・ネットワークの《0~3歳児のためのコンサート》に出演しました。
第一生命ホールロビーはガラス張り。空も見える空間で、美しい歌声を聴きながら、楽しい公演でした。
プログラムの打ち合わせから楽譜の用意などいろんな工夫がありましたが、「弦楽四重奏とソプラノのアンサンブルでこんなことができたらいいな!」を実現した夢のようなコンサートになりました。



4月は月島社会教育会館晴海分館「アートはるみ」にてピアノ、ヴァイオリン、チェロ、ソプラノでコンサートに出演しました。
会場の近隣にある高齢者福祉施設入居者の方に、お花見散歩をしながら会場に来ていただき、コンサートも楽しんでいただくという企画です。また、施設から出ることができない方のために、音楽会を録画して満開の桜の映像と共にDVDにして「マイホームはるみ」「晴海苑」「マイホーム新川」へお届けしました。
第10回 おさんぽ応援団 お花見散歩と音楽会
Sole e Mare(ソーレ・エ・マーレ)
https://www.triton-arts.net/ja/community/2026/4367/
主催:おさんぽ応援団
協力:認定NPO法人 トリトン・アーツ・ネットワーク
後援:社会福祉法人 中央区社会福祉協議会



第一生命ホールオープンハウスで誕生したソーレ・エ・マーレとしての公演も回数を重ねてきました。いつもとてもスムーズに準備が進むメンバーです。以下のリンクは結成時のインタビューです。
多くのお問い合わせをいただいているため、レッスン枠が限られてまいりました。そのため大人の方の新規レッスン受け入れは下記のように制限しております。状況が変わりましたらこちらでお知らせいたします。(2026年4月現在)
お子様の定期コースレッスンは若干名受け入れ可能です。現在、幼稚園生、小学生、中学生の皆さんと楽しくレッスンしています。ご興味ある方、上手に弾けるようになりたい方、レッスン可能な曜日や時間帯などはお問い合わせください。
レッスンの詳細はこちらをご覧ください。
昨年の感想はこちらに書いていますが、今年も楽しみな公演になりました。個性が光る良い曲ばかりで、小編成ならではの響きを本当に間近にお聴きいただけます。文京シビックホールでお待ちしています!
■ 日時:01/18(日)
公開リハーサル11:00-12:30 本公演14:00–15:30
■ 場所:文京シビックホール 小ホール
(東京都文京区春日1-16-21 丸ノ内線・南北線 後楽園駅(5出入口)直結 三田線・大江戸線 春日駅直結 JR水道橋駅(東口)徒歩10分)
■ 出演:Chamber Orchestra NEO コンサートマスター 中村ゆか里 指揮 田中元樹
■ チケットhttps://teket.jp/11558/58112
「ヒビキアウ」は、未就学児や障害児の方、ワンオペ育児中の親子など、どなたでも安心して楽しめるインクルーシブなコンサートです。 「地ベタリアンスタイル」 により、ホールの座席を一部取り外し、演奏家と同じフロアで音楽を体感できます。立って自由に演奏するChamber Orchestra NEOが、モーツァルトの交響曲から若手日本人作曲家の新作まで幅広いプログラムをお届けします。 終演後には、オーケストラの演奏家や指揮者と直接交流いただける「ヒビキアイタイム」も予定しています。「こう聴かねばならない」「静かにじっとして聴く」というルールから少し自由になり、身体全体で音の響きを感じていただければと思います。どちらの公演も、会場と音楽が共鳴しあう特別な時間にしたいと願っております。 皆さまにお会いできることを、心より楽しみにしております。
Neoclassical Collective info@neoco.jp https://neoco.jp/
大人になってからヴァイオリンを習い始めた生徒さん。弓の持ち方は最初の難関ですが、レッスン開始2、3ヶ月くらいであっという間に少し良い感じに!お仕事もお忙しいのになぜこんなに早いのかしらと思って聞いてみたところ、メルカリでジャンク品の弓を1000円くらいで買ってリビングに出しっぱなしにしておき、いつでも触れるようにしているというのです。レッスンでは弓を持つためのいろいろな体操も教えていますが、夜、テレビやパソコン見ながらでもできるとのお話でした。

意外なメルカリの活用法で感心しました。弓の代わりに鉛筆などで持ち方を練習する方法はありますが(鉛筆は鉛筆で弓より軽くて持ちやすいなどの利点はあります)、本物の弓にたくさん触れるためにはいいアイディアです。ヴァイオリンはさあ練習しようと思ったところで、弾くまでの準備が面倒に感じてしまうんですよね。ケースを開けて、弓出して、弓の毛張って、松脂つけて、いったん置いておいて、ヴァイオリン出して、肩当てつけて、さあ弓も持って、まずは調弦をしないと…となると、蓋を開けるだけで弾けるピアノに比べてどうしても腰が重くなります。生徒さんのアイディアは、出しっぱなしにしておいてなるべく触れる時間を増やすという点で成功していると思いました!
弓の正しい持ち方について、指のあてる場所、曲げ具合など、私が正しいことを細かく説明することはできます。それを頭で理解しても、それを身につけ、自在に操れるようになるには「慣れ」が必要ですので、弓に触れる時間を確保する工夫が素晴らしいと思いました。
今回特に選曲の意味を自分なりに考え抜いたので、聴いてくださった方に伝えることができたのではないかと思います。同じ空間で音楽を私たちと共有してくださった皆様、本当にありがとうございました。
曲について考えていく過程を文章にまとめて公開してみたのも、私にとっては初めての試みでした。頭の中では普段から考えているつもりでしたが、文章にまとめて公開するとやはり自分の意識は変わります。お読みいただいた方、ありがとうございました。
マルシェ弦楽四重奏団では、来年もアウトリーチ、コンサートなどの予定が継続してございます。今後も私たちの活動に関心を寄せていただけると嬉しいです。



この曲は熊本県球磨郡五木村に伝わる民謡です。五木村は熊本県の南部の内陸の山間部にある、平家の落人伝説のある小さな村。この歌は子守をする少女が、自分の不幸な境遇などを自ら慰めるために歌った歌です。かつて小作人の少女たちは、家が貧しく、「口減らし」のために奉公に出されることが多くありました。

哀愁を帯びた物悲しいメロディーです。私は聴きながらガーシュウィンのオペラ「ポーギーとベス」より「サマータイム」を思い出しました。貧しいアフリカ系アメリカ人の主人公が赤ん坊をあやしながら歌うブルースです。ブルースも成り立ちを考えるとアフリカ系アメリカ人の「民謡」とも言えるジャンルですから、日々の暮らしに心情を歌詞にこめて歌っていたという共通点があるのかもしれません。
コンサートでは幸松肇氏が編曲した「弦楽四重奏のための日本民謡集」より演奏します。これまでにマルシェ弦楽四重奏団ではこの民謡曲集から「ソーラン節」「茶っきり節」「鹿児島おはら節」などいくつかをコンサートやアウトリーチで演奏してきました。日本土着の民謡の響きそのままというよりは、西洋の楽器、西洋の響きも活かした新しいアレンジになっていると感じます。
この曲は、ロシアの作曲家チャイコフスキー(1840-1893)によって1871年に作曲された「弦楽四重奏曲第1番ニ長調作品11」の第2楽章です。美しい旋律が大変有名で、いろいろな楽器に編曲されたり、今回のコンサートのように単独で演奏されることも多いです。

チャイコフスキーは若い頃に民謡の採譜にも取り組み、その成果は「50のロシア民謡曲集」(1869年:弦楽四重奏曲第1番の作曲時期に近い)といった形でまとめられました。そうした活動の影響でしょうか、初期のチャイコフスキーの作風は民族的な要素を採り入れた作品が多かったと言われています。 弦楽四重奏曲第1番は、彼の創り出す豊かな旋律と情感溢れる表現力が際立っており、ロシアの伝統的な音楽と西洋のクラシック音楽を融合させた作品として評価されています。
第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」も民謡を元にしていると言われていますが、具体的にどの民謡なのかについては諸説あるようです。 その一つが、冒頭部分のテーマがウクライナのカメンカで聴いた民謡を元にしているのではないか、というものです。
カメンカはチャイコフスキーの妹の嫁ぎ先で、1870年代にはチャイコフスキーが頻繁に訪れていたということです。
今回の記事でご紹介した2曲はどちらも民謡が元になっており、素朴ながら胸に迫る旋律が印象的です。コンサートでは、人々の心の中に大切に伝わってきた「うた」を弦楽四重奏の響きでお楽しみください。
【2025/10/13追記】
全4回にわたって全てのプログラムを眺めてみますと、パーセルはイギリスの、五木の子守唄は日本の、チャイコフスキーはスラブの、リゲティはハンガリーの、シューベルトは南ドイツ・オーストリアの、”それぞれの文化・伝統・メロディー” が豊かに表現された曲ばかりです。長い歴史の中で人々によって受け継がれてきたもの、それを弦楽四重奏曲という形で残してくれた作曲家のそれぞれの「歌」がお聴きいただく皆様の心に届きますようにと思って演奏しました。

🎵コンサートの詳細は以下のページをご覧ください🎵