
シューベルトの大曲と共にプログラムのメインとなるのがリゲティの弦楽四重奏曲。こちらも以前からマルシェの中でやりたい曲としてあがっており、数年前に楽譜も購入してあった曲です。
リゲティは現代音楽の巨匠として大変有名で名前を聞く機会も多いものの、私個人は演奏機会はありませんでした。10年以上前にホルン三重奏曲を聴いて難解に感じつつも興味惹かれる部分がたくさんあったことを覚えています。
ジェルジュ・リゲティ(1923年5月28日 – 2006年6月12日)は、ルーマニアでユダヤ系ハンガリー人として生まれ、ハンガリー動乱がソ連に鎮圧された1956年にオーストリアに亡命。スタンリー・キューブリック監督は映画『2001年宇宙の旅』、『シャイニング』、『アイズ ワイド シャット』などでリゲティの音楽を使用したため、その音楽はクラシック音楽を越えて広く知られるようになりました。
第二次世界大戦の折には、家族はバラバラに強制収容所に入れられ、父はアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で、弟はマウトハウゼン強制収容所で命を落としています。その後ソ連抑圧下のハンガリーで過ごし、ハンガリー動乱の際には、銃撃を避けてハンガリーとオーストリアの国境に広がる湿地帯を通り抜けて亡命するなど、政治的に厳しい状況に置かれました。
弦楽四重奏曲第一番は「夜の変容」という副題がついており、不穏な雰囲気、抒情的な旋律など変化に富んだこの作品の性格を表していると言えるでしょう。ハンガリーがソ連抑圧下にあった1954年に作曲されました。31才という若い時の作品ですが、当時のハンガリーは大戦後の西側の実験的な音楽の情報が入ることもなく隔絶されており、独創的な音楽になっています。この頃リゲティはハンガリーの先人バルトークの音楽を理想とし、ハンガリーの民謡を元に作曲をすることもありましたが、社会主義リアリズムが蔓延するハンガリー当局から演奏を禁止されており、非公開のままになる曲も多くありました。この曲も亡命後の1958年にウィーンで初演されています。
録音を聴いたりスコアを見ると「弦楽四重奏としての技巧」が要求されることがわかります。テンポや拍子がよく変わる、「伝統的な和声音楽」ではないため4人で音程があっているのかわかりづらい、歯車のようにカチッと噛み合ってこそかっこいいと感じるところも多い、早いパッセージやグリッサンドも多い、特殊奏法も多い・・・それらをどのように扱って歌にまで昇華するか。冒頭から曲全体を支配しているような半音階進行から始まり、次第にメロディが導き出されてきます。ユーモアがあったり、怪しげだったり、痛みを感じるようだったり、リゲティならではの「うた」が浮かび上がってくるような演奏ができればと考えています。
今回演奏するシューベルトの半分ほどの長さの曲ですが、練習を始めた当初はとてつもなく長く感じました。リハーサルと重ねてくると次第に短く感じられるようになり、ようやく最後まで行けそう!という気持ちになりつつあります。「数学的な楽譜」とそこから聞こえてくる「豊かな響き」のギャップが面白いところです。多彩な音色で夜を表現し、最後は静かに消えていきます。
2025/10/12(日) 開場: 13:30 / 開演: 14:00
杉並公会堂 小ホール
パーセル:4声のファンタジア ト長調 Z.742
幸松肇:弦楽四重奏のための4つの日本民謡より「五木の子守唄」
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番 ニ長調より「アンダンテ・カンタービレ」
リゲティ:弦楽四重奏曲第1番「夜の変容」
シューベルト:弦楽四重奏曲第15番 ト長調 D887
チケット購入はこちらから(teket)、またはこのサイトのContactページからお問い合わせください。

マルシェ弦楽四重奏団による「響きあう・うた」をテーマにした演奏会。
「歌、メロディー」に重きを置き、日本やヨーロッパの様々な国や時代の弦楽四重奏作品をお話をまじえながらたどる。弦楽四重奏は4つの弦楽器でひとつの音楽を作る、シンプルな演奏形態である。誰もが持っている楽器は声であり、歌は人間にとって身近なもの。作曲家が作品に込めた歌を感じていただける企画。
パーセルのファンタジア、五木の子守唄、アンダンテカンタービレは、どれも各国の古典的な作品であり、民謡が主題であったりと作品にその土地らしさがあらわれている。色々な歌(民謡)に親しんだ後に、リゲティの現代的な響きや色々な感情の変化に触れる。この作品がリゲティの初期・若い年代に作られた作品であることを考え、美しく歌うアプローチで表現したい。
プログラムの後半、たくさんの歌曲を残し、歌の分野を芸術作品にまで高めたシューベルトの大作、弦楽四重奏曲第15番を演奏する。シューベルトは「冬の旅」「美しい水車屋の娘」といった連作歌曲で、各曲に文学的・音楽的な関連性を持たせ、作品全体で統一的な世界を作り出した。それと同じように、この長大な弦楽四重奏曲の中に物語が描かれており、シューベルトが描いた人間の心の動きに誰もが共感できる部分があるだろう。

アニメ・特撮⾳楽の巨匠の⽣誕 100 年を祝う︕「⽣誕 100 年・渡辺宙明⾳楽祭」
マジンガーZをはじめ、数々のアニメ・特撮音楽を作った伝説の巨匠・渡辺宙明。その生誕100年を祝う音楽祭に、レジェンド歌手と、次世代を担う音楽家が大集合!オリジナル歌手による往年の名曲がゴージャスなフルオーケストラで甦る!魂を震わせ、燃えるヒーローサウンドで歌おう!アンコールの大合唱あり。
演奏予定曲(順不同)
マジンガーZ、⼈造⼈間キカイダー、キカイダー01、戦えイナズマン、宇宙刑事ギャバン、レーザーブレード曲集(歴代メドレー)、「戦え!!イクサー1」特集(映像付きで披露予定)、太陽戦隊サンバルカン、勝利のマシンロボ、戦え!バイカンフー、伝説、
バトルフィーバーJ、⼤戦隊ゴーグルファイブ、ビデオ戦⼠レザリオン、ふたりはプリキュア and more!
※曲目は変更になる場合がございます。
2025年8月23日(土)開演15:00(開場14:15)
会場:LINE CUBE SHIBUYA
オフィシャルHP https://tickets.kyodotokyo.com/wc
【チケット取り扱い】一般発売日:5月24日(土)10:00
キョードー東京 0570-550-799 (電子チケット/紙チケット)
オペレータ受付時間 平日11:00~18:00 土日祝日10:00~18:00
主催:MXテレビ
後援:文化放送/TBSラジオ
企画・制作:キョードー東京/スリーシェルズ

まだまだ暑い日が続いていますが、少しずつこちらの公演の日が近づいてきます。
プログラムの企画意図については、マルシェ公式サイト、チケット販売サイト、YouTubeなどにも投稿しています。ご一読いただけると嬉しいです。
弦楽四重奏のための曲は、特別なクラシック音楽愛好家でなければなかなか知らないものが多いのではないでしょうか。プログラムの曲目だけでパッと人目を惹きつけるのはなかなか難しいジャンルですが、コンサートで一度聴いていただけると、その後何回も聴いていただけるようになることも多いです。4人という小さくて密接なやり取りをすぐ間近で聴くのは、とても印象的で心に響く体験です。感情がダイレクトに伝わってくる気がします。
これからリハーサルで詰めていき、YouTubeなどでも少しお聴きいただけるようにしようかなと計画中ですので、こちらも覗いてみてください。ぜひコンサートでもお待ちしています。
曲の理解をより深めたいと思って調べたり考えたりしたことを少しずつこちらに書いていこうと思います。今回は「響きあう・うた」というテーマを掲げていますので、プログラムにある一見バラバラな曲たちがどのようにテーマと関わり合っているのかを念頭に置きながら書いていきます。こちらのブログを続けてお読みいただけると、これらの曲をまとめて聴く意味を感じていただけるのではないでしょうか。上に挙げた公式サイトのようなところは正確さに拘りどうしても無難な内容になりがちですので、ここには全くの私の個人的な考えを綴りたいと思います。

この弦楽四重奏曲第15番は私が長年演奏したいと思っていた曲で、プログラムに入れるチャンスをずっと窺っていました。
シューベルト(1797-1828)はオーストリアの作曲家で、オペラ、ミサ曲、交響曲、室内楽、ピアノ曲といった幅広い作品を残しました。「魔王」「冬の旅」をはじめ600曲を超える歌曲を作り、「歌曲の王」として名高い作曲家です。
この曲は生涯に作曲した15曲の弦楽四重奏曲の最後の作品で、亡くなる2年前、最晩年の作品です。
過去に弦楽五重奏曲なども演奏したことがありますが、この人の曲はとにかく長い!同じリズムを延々と繰り返しながら、その中にあっと驚く独創的な転調を次々に積み重ねていき、それが積み重なった先にはとんでもない壮大な景色が見える・・・それがこの曲の一番の魅力だと思います。振り返ってみると延々とモチーフが繰り返される長さは、この景色を見るためには必要なものであるのかもしれません。途中の楽章には、牧歌的なところもあったり、歌曲を思わせるようなドラマチックな部分があったりもします。
作曲家は歴史的に古くは王侯貴族に雇われていた身分でしたから、王の要望に沿って宮廷で使われる音楽をたくさん書いていました。シューベルトの弦楽四重奏曲はそのようなパトロンの依頼で作曲されたのではなく、個人的な楽しみのためとか(シューベルトはヴィオラを弾きました)、純粋に音楽的な欲求によって作曲されています。個人的な感情や思いの丈を曲に発散させているように感じられるのです。スコアを見て複雑な和声の変化を勉強しながらも、次第に身近に感じて自分の人生や日々の生活とただただ重ね合わせて弾く・・・そんな気持ちになることもあります。きっとお聴きいただく方にも難しい解説は横に置いておいて、ただこの曲も世界に浸っていただけるのではないでしょうか。
コンサートの詳細はこちらのページをご覧ください。
♪大人のレッスン♪
大人の方の定期コースは金曜日1名のみレッスン枠があります。その他の曜日は現在満席ですので、金曜日以外のレッスンご希望の方はワンレッスン制をご検討お願いいたします(2025/7/1現在)。ワンレッスン制ですが、必ずしも単発レッスンのみを想定したものではなく、月2回や3回の頻度で定期的に通われる方も増えてまいりました。定期コースと異なり、レッスン日程を柔軟に決めることができます。
♪子どものレッスン♪
未就学児〜高校生の定期コースは火・金・土いずれの曜日もそれぞれ1、2名程度枠があります。幼稚園や保育園の年少さん、年中さん、年長さん、小学生など、それぞれの発達段階を考慮したオーダーメイドのレッスンです。
より詳しい最新の状況はこちらからお問い合わせください。
藤岡幸夫指揮のプロオーケストラと合唱で、生誕100年の作曲家・芥川也寸志を特集するコンサートを開催
2025年7月20日(日)北区王子1-11-1(北とぴあ・さくらホール)
芥川也寸志生誕100年記念コンサート(作曲:芥川也寸志/演奏許諾・協力:芥川眞澄)

〈演奏予定曲〉
交響管絃楽のための前奏曲(1947)
交響三章(トリニタ・シンフォニカ)(1948)
交響管絃楽のための音楽(1950)
交響組曲「東京」 第4楽章 Allegro Ostinato(1986)
日扇聖人奉讃歌『いのち』(1988・遺作)
映画音楽(調整中)
指揮:藤岡幸夫(関西フィル総監督/東京シティ・フィル首席客演指揮者)
コンサートマスター:三宅政弘
混声合唱:生誕100年記念合唱団(約50人予定/合唱指揮:白井智朗)
主催:オーケストラ・トリプティーク
協力:芥川眞澄(芥川也寸志未亡人)全音楽譜出版社
後援:音楽之友社、日本作曲家協議会
企画プロデューサー 西耕一
チケット(自由席)一般:5000円、大学生:1000円、高校生以下:100円
電子チケットteket https://teket.jp/11752/48927

2025年5月24日(土)14時開演(13時半開場)
北とぴあ・さくらホール(東京都北区王子1-11-1)JR王子駅北口徒歩 2分/メトロ南北線5番出口直結
【チケット】一般5000円、大学生1000円、高校生以下500円
電子チケット(BASE)https://3scdjrl.shopselect.net/ (ペアチケット割引あり)
電子チケット(teket) https://teket.jp/11752/48148
電子チケット(Peatix)https://herofes.peatix.com/
グーグルフォーム(予約・当日精算)https://forms.gle/t5TCKkkGweXXF3RSA
【子門真人に捧ぐ/高野二郎による】
ガッチャマンの歌/小林亜星
勇者ライディーン/ 小森昭宏
アマゾンライダーここにあり/菊池俊輔
電人ザボーガー/ 菊池俊輔
ひとり旅/ 菊池俊輔
およげ!たいやきくん/佐瀬寿一
メガロをやっつけろ/真鍋理一郎
ゴジラとジャガーでパンチ・パンチ・パンチ/真鍋理一郎
勝利のマシンロボ/渡辺宙明
渡辺宙明のCMセレクションの子門真人(と水木&ヒデ)
ガッツ! タイガース、タンク大作戦、エレクトリックボーイZほか
祝70歳【シンフォニック・宮内タカユキ】宮内タカユキ(歌唱)
超電子バイオマン/加瀬邦彦
仮面ライダーBLACK RX/川村栄二
誰かが君を愛してる/林哲司
ベルリンの赤い雨(ブロッケンJr.のテーマ)
ビデオ戦士レザリオン/渡辺宙明
特警ウインスペクター/鈴木キサブロー
特救指令ソルブレイン /鈴木キサブロー
特捜エクシードラフト/鈴木キサブロー
ほか
【西田真以によるZEN&SHIN】
炎のマスカレード/ZEN&SHIN
戦場の花/ZEN&SHINほか
主催:百年事務局
マネジメント:スリーシェルズ https://3s-ca.jimdofree.com/2025-05-24/
未就学児入場不可
2025年10月12日(日) 杉並公会堂 小ホールにて公演が決定しました!
杉並公会堂は人気のホールで響きや雰囲気も良くなかなか取れないのですが、奇跡的に取れたので、たくさんの方にお聴きいただけたら嬉しいです。
マルシェでは2022年に一度ここで演奏しています。ブラームスのカルテット、既に遠い昔のような気がします…


現在、デザイナーさんとチラシの原案をやり取りしていますが、あっと驚く素敵な色使いのものをご提案いただきました。私たち演奏家でプログラムを構成して、そこからイメージを膨らませてそのいろいろな情報を伝えると紙の上に表現してくれるデザイナーさん、いつもすばらしいです。毎回雰囲気が全然違っていて同じ人の作品とは思えません。いずれコンサートページで公開しますので、ぜひチェックしてくださいね。
またこれまでの公演動画などを順次YouTubeチャンネルに公開しています。どうぞご覧ください。
マルシェ弦楽四重奏団の公演のご案内はこちら