『日本語には、「息が合う、息が通う、息が詰まる、息を呑む、息を弾ませる、息が絶える、息を吹き返す」といった表現がたくさん存在します。日々の生活で生まれる感情や人とのかかわり、エネルギーの動きを、「息を吸う/吐く」というシンプルな営みから言い表しています。「息」は全ての人が持つものです。「息」が原動力となって音が生み出され、演奏家と観客の「息遣い」が共鳴し合い、空間の中で循環し広がっていきます。』公演フライヤーより
こちらの公演、「地ベタリアンスタイルにで聴く公開リハーサル」という企画もありました。私は特に事前情報は持っていなかったため、「どんな感じになるのかしら?」と興味津々で当日を迎えました。
公開リハーサルとは本公演の前に普通は非公開の練習をお客さんにも聴いてもらおうという企画で、それ自体は珍しいものではなく、私はお客さんとして聴きに行ったことも、出演者として参加したこともたくさんあります。その雰囲気や目的は様々で、本公演に都合がつかない人に聴いてもらえるとか、本公演は未就学児不可だけれど小さい子供たちにも聴いてもらおうとか、くつろいだ雰囲気で聴いてもらおうとか色々ありますが、私がこれまで知っているものはリハーサルと言えども緊張感漂う感じだったり(本公演とあまり変わらない?)、聴衆とのコミュニケーションはなく演奏者が内輪でやってるだけだったり(見たければ見てもいいよといった感じ?)、が多かったように思います。
今回はさすが違っていました。ネタバレになっていいのかわかりませんのでここに詳細は書きませんが、生演奏を至近距離で聴く良さ、企画テーマになっている「イキヅカイ」が伝わる工夫がしっかりしてありました。身近なものを使って楽器の音が空気を伝わっていく、演奏者の呼吸が感じ取れるような試みだったと思います。もちろんプログラム全てをリラックスした雰囲気の中お聴きいただきました。
主催者の方のお話を伺うと、きっとこれからも様々な試みが取り入れられた演奏会がありそうですので、機会がありましたらどうぞお運びください。
アーカイブ配信動画は公開リハーサルではなく、本公演になりますが、リハーサルを通して醸成された音楽の流れ、一人ひとりの奏者が集まってできるアンサンブルの息遣いは存分に発揮されているのではないかと思います!
ープログラムー
ヘンリー・パーセル:1つの音に基づく5声のファンタジア
ジェラルド・フィンジ:弦楽合奏のためのロマンス
伊福部昭:絃楽のための日本組曲
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン :交響曲第85番 変ロ長調《王妃》
公演詳細はこちら(新古典主義集団NEOCO)→ https://neoco.jp/show12152024/
【オンライン配信】
アーカイブ配信: 2025/1/25(土) 19:00〜2025/2/23(日) 23:30
配信期間中は、お好きな時に何度でもご視聴頂けます。(チケットご購入後にURLをお届けするシステムとなります。)
配信チケット https://teket.jp/11558/39830