マルシェ弦楽四重奏団主催公演にむけて<1・シューベルト>

10/12の公演まで2ヶ月を切りました

まだまだ暑い日が続いていますが、少しずつこちらの公演の日が近づいてきます。

プログラムの企画意図については、マルシェ公式サイトチケット販売サイトYouTubeなどにも投稿しています。ご一読いただけると嬉しいです。

弦楽四重奏のための曲は、特別なクラシック音楽愛好家でなければなかなか知らないものが多いのではないでしょうか。プログラムの曲目だけでパッと人目を惹きつけるのはなかなか難しいジャンルですが、コンサートで一度聴いていただけると、その後何回も聴いていただけるようになることも多いです。4人という小さくて密接なやり取りをすぐ間近で聴くのは、とても印象的で心に響く体験です。感情がダイレクトに伝わってくる気がします。

これからリハーサルで詰めていき、YouTubeなどでも少しお聴きいただけるようにしようかなと計画中ですので、こちらも覗いてみてください。ぜひコンサートでもお待ちしています。

曲の理解をより深めたいと思って調べたり考えたりしたことを少しずつこちらに書いていこうと思います。今回は「響きあう・うた」というテーマを掲げていますので、プログラムにある一見バラバラな曲たちがどのようにテーマと関わり合っているのかを念頭に置きながら書いていきます。こちらのブログを続けてお読みいただけると、これらの曲をまとめて聴く意味を感じていただけるのではないでしょうか。上に挙げた公式サイトのようなところは正確さに拘りどうしても無難な内容になりがちですので、ここには全くの私の個人的な考えを綴りたいと思います。

シューベルト

シューベルト

この弦楽四重奏曲第15番は私が長年演奏したいと思っていた曲で、プログラムに入れるチャンスをずっと窺っていました。

シューベルト(1797-1828)はオーストリアの作曲家で、オペラ、ミサ曲、交響曲、室内楽、ピアノ曲といった幅広い作品を残しました。「魔王」「冬の旅」をはじめ600曲を超える歌曲を作り、「歌曲の王」として名高い作曲家です。

この曲は生涯に作曲した15曲の弦楽四重奏曲の最後の作品で、亡くなる2年前、最晩年の作品です。

過去に弦楽五重奏曲なども演奏したことがありますが、この人の曲はとにかく長い!同じリズムを延々と繰り返しながら、その中にあっと驚く独創的な転調を次々に積み重ねていき、それが積み重なった先にはとんでもない壮大な景色が見える・・・それがこの曲の一番の魅力だと思います。振り返ってみると延々とモチーフが繰り返される長さは、この景色を見るためには必要なものであるのかもしれません。途中の楽章には、牧歌的なところもあったり、歌曲を思わせるようなドラマチックな部分があったりもします。

作曲家は歴史的に古くは王侯貴族に雇われていた身分でしたから、王の要望に沿って宮廷で使われる音楽をたくさん書いていました。シューベルトの弦楽四重奏曲はそのようなパトロンの依頼で作曲されたのではなく、個人的な楽しみのためとか(シューベルトはヴィオラを弾きました)、純粋に音楽的な欲求によって作曲されています。個人的な感情や思いの丈を曲に発散させているように感じられるのです。スコアを見て複雑な和声の変化を勉強しながらも、次第に身近に感じて自分の人生や日々の生活とただただ重ね合わせて弾く・・・そんな気持ちになることもあります。きっとお聴きいただく方にも難しい解説は横に置いておいて、ただこの曲も世界に浸っていただけるのではないでしょうか。

コンサートの詳細はこちらのページをご覧ください。


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